採用サイトの社員インタビューは、求職者が「どんな人が、どう働いているか」を知る、数少ない手がかりです。求人票や会社概要では見えない職場の実像を伝え、入社後のイメージを具体化する役割を持ちます。
ただ、社員インタビューは「話を聞いて、そのまま載せる」だけでは、当たり障りのない内容になりがちです。この記事では、社員インタビューの作り方を手順で整理し、カテゴリ別の質問例と、本音を引き出すコツまで解説します。
社員インタビューの作り方(5ステップ)
STEP1:目的(ゴール)を決める
何のためのインタビューかを決めます。「応募を増やしたい」のか「入社後のミスマッチを減らしたい」のか。目的によって、聞くべきことが変わります。迷ったら、自社の社員に「入社前に、どんな情報を知りたかったか」を聞くと、ヒントが見つかります。
STEP2:読み手(求職者)を具体的に想定する
誰に読んでほしいかを決めます。新卒か中途か、どんな価値観の人か。成長意欲の高い人には挑戦の経験を、働きやすさを重視する人には1日の流れや制度を——読み手によって、響く話は変わります。
STEP3:インタビュー対象者を選ぶ
読み手に近い経歴の社員や、伝えたい魅力を体現している社員を選びます。求職者は「自分と近い人」の話に、自分を重ねやすいものです。
STEP4:質問を用意し、事前に共有する
目的から逆算して質問を作ります(質問例は後述)。当日いきなり聞くより、事前に質問を渡しておくと、相手も考えを整理でき、深い話が出やすくなります。
STEP5:取材し、記事に編集する
話を聞き、その内容を記事にします。このとき、話し言葉をそのまま載せるのではなく、読みやすく整えつつ、その人らしさは残す。ここが記事の質を分けます(詳しくは後述)。
カテゴリ別・質問例

質問は、「過去(入社まで)→現在(今の仕事)→未来(これから)」の流れで組むと、話が自然につながり、読み手も追いやすくなります。
過去|入社のきっかけ
- 入社の決め手は何でしたか?
- 入社前、会社にどんなイメージを持っていましたか?
- (中途の場合)転職を考えた理由を教えてください。
現在|仕事内容とやりがい
- いまの仕事内容を、具体的に教えてください。
- 1日は、どんな流れで進みますか?
- 仕事で、やりがいを感じるのはどんなときですか?
- 逆に、大変だったこと・苦労したことはありますか?
現在|職場・人
- 職場は、どんな雰囲気ですか?
- 一緒に働くのは、どんな人たちですか?
- 入社前と入社後で、ギャップはありましたか?
未来|これから
- これから挑戦したいこと・目標はありますか?
- どんなときに、成長を感じますか?
結び|求職者へ
- 入社を迷っている人に、伝えたいことはありますか?
- 入社前に、やっておくとよいことはありますか?
すべてを聞く必要はありません。STEP1で決めた目的に合う質問を中心に、10問前後に絞ると、1本のインタビューとしてまとまりやすくなります。
本音を引き出す、深掘りのコツ

質問リストを順番に聞くだけでは、よいインタビューにはなりにくいものです。多くの人は、「やりがいは?」と聞かれても、最初は「お客様に感謝されることです」といった、一般的な答えを返します。そこから一歩踏み込むのが、取材のコツです。
- 具体的な場面を聞く:「たとえば、どんなときですか?」「最近、そう感じた出来事はありますか?」。抽象的な答えを、エピソードに変えてもらいます。
- 感情の動きを聞く:「そのとき、どう思いましたか?」。事実だけでなく、気持ちを聞くと、その人らしさが出ます。
- 迷いや苦労も聞く:「入社前、不安はありませんでしたか?」「うまくいかなかったことは?」。順調な話だけより、リアルな実感が伝わります。
- 沈黙を待つ:相手が考えているときは、急かさず待ちます。考えた末の言葉に、本音が出やすいものです。
- 否定せず、最後まで聞く:相手が安心して話せる空気をつくります。緊張をほぐす雑談から始めるのも有効です。
こうして引き出した、その人にしかないエピソードが、求職者にとって「自分が働く姿を想像する」手がかりになります。
話し言葉を、記事にする
取材した内容は、話し言葉のままでは読みにくいものです。かといって、きれいに整えすぎると、その人らしさが消えてしまいます。
- 冗長な部分は削る:「えーと」「なんか」や、繰り返しを整理します。
- その人らしい言い回しは残す:話し方の個性は、魅力の一部です。
- 順番を入れ替える:話した順でなく、読み手が追いやすい順に構成します。
- 事実を確認する:数字や固有名詞は、本人や会社に確認します。
「盛らない」ことが、ミスマッチを防ぐ
社員インタビューで気をつけたいのは、良いことばかりを並べて「盛る」ことをしないという点です。
魅力的に見せたいあまり、苦労や課題を隠して美談だけにすると、入社後に「思っていたのと違う」というギャップを生みます。早期離職の多くは、この入社前後のギャップが原因です。
むしろ、大変だったことや、乗り越えた課題も正直に伝えるほうが、求職者は現実的に判断でき、納得して入社できます。「盛らない。けれど、魅力は伝える」。このバランスが、長く働いてくれる人との出会いにつながります。
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読まれる導入事例記事の書き方
社員インタビューは、取材と編集の力が出る
ここまで見てきたように、社員インタビューは、質問リストを埋めるだけの作業ではありません。相手の本音を引き出す取材と、その言葉を魅力的に伝える編集。この2つの力で、仕上がりが変わります。
社内で作るのが難しい場合は、取材・執筆を専門とする外部に依頼するのも選択肢です。社員も、社内の人より、外部の聞き手のほうが、かえって本音を話しやすいこともあります。
まとめ
- 社員インタビューは、求職者が職場の実像を知り、入社後を想像する手がかりになる。
- 作り方は、目的→読み手の想定→対象者選び→質問準備→取材・編集の5ステップ。
- 質問は「過去→現在→未来」で組み、目的に合うものを10問前後に絞る。
- 質問リストを順に聞くだけでなく、具体的な場面・感情・迷いを深掘りする。
- 良いことばかり「盛らない」ことが、入社後のミスマッチを防ぐ。
社員インタビューは、その人にしかない言葉を引き出せたとき、求職者の心に届くものになります。質問を用意し、丁寧に聞き、正直に伝える。この積み重ねが、いい出会いにつながります。
よくある質問(FAQ)
社員インタビューでは、どんな質問をすればいいですか?
「過去(入社のきっかけ)→現在(仕事内容・やりがい・職場)→未来(目標)」の流れで組むのが基本です。入社の決め手、1日の流れ、やりがいや苦労、職場の雰囲気、これからの目標などを聞きます。すべて聞くのではなく、インタビューの目的に合う質問を10問前後に絞るとまとまります。
社員から本音を引き出すには、どうすればいいですか?
質問リストを順に聞くだけでなく、深掘りすることが大切です。「たとえば、どんなとき?」と具体的な場面を聞いたり、「そのとき、どう思った?」と感情を聞いたりします。迷いや苦労も尋ね、相手が考えているときは急かさず待つ。否定せず最後まで聞く姿勢が、本音を引き出します。
社員インタビューは、良いことだけを載せたほうがいいですか?
良いことばかり「盛る」のは、おすすめしません。苦労や課題を隠して美談だけにすると、入社後に「思っていたのと違う」というギャップを生み、早期離職につながりやすくなります。大変だったことも正直に伝えるほうが、求職者は現実的に判断でき、納得して入社できます。
社員インタビューは、自社で作れますか?
目的設定や質問準備は、自社でも進められます。ただ、本音を引き出す取材や、話し言葉を読みやすく編集する作業には、経験が要ります。社員が社内の人より外部の聞き手に本音を話しやすいこともあるため、取材・執筆を専門とする外部に依頼するのも有効な選択肢です。
社員インタビューは、その人の本音を引き出せるかどうかで、仕上がりが変わります。言の葉+は、取材・執筆を専門とするチームとして、社員の生の言葉を引き出し、盛らずに魅力を伝えるインタビュー記事の制作をお手伝いします。採用サイトの制作例を、架空デモで公開しています。
