制作ノート / 槇瀬製作所
設備の一覧が、頼める理由になるまで。
設備の一覧を、発注する人が読む順に並べ直した、町工場の会社サイトの自主制作です。
7ページ/写真30点の撮影計画/撮影2日(2工場)/取材3名/制作期間 約18週間


サイトの課題設定
設備の数字より先に、「何を頼めるか」を伝える。
槇瀬製作所は、埼玉県川口市で機械架台・板金カバー・ホッパーをつくる架空の製作所です。切断から溶接・組立まで社内でできるのに、サイトに並ぶのが設備名と台数だけでは、図面を持つ人は「この仕事を頼めるのか」を判断できません。そんな課題を設定しました。
発注を考える人が先に知りたいのは、一台からでも受けるのか、どの材質・寸法まで対応できるのか、検査の条件はいつ決めるのか、です。これを工程の順に見せることにしました。
読み手として想定した人
設備メーカーや機械商社で、架台や板金品の外注先を探している設計・購買の担当者。図面や数量が決まりきっていない段階で、相談先を比べたい人。
取材の質問設計
得意なことを聞く前に、断らない理由を聞く。

代表、工場長、現場の担当者に話を聞く想定で、質問をつくりました。「強みは何ですか」とは聞かず、実際の判断や手順を思い出せる問いから始めます。以下は、計画書に載せた質問の一部と、その設計意図です。
- 一台からの製作を続けている理由は何ですか?(代表)
- 「小ロット対応」という言葉を、続けてきた判断の理由として語ってもらう。
- 取引先から図面を預かるとき、最初に確かめることは?(代表)
- 発注する人が知りたい「相談したら何が起きるか」を、最初の手順で見せる。
- 検査条件をご注文前に決めるのはなぜですか?(工場長)
- 品質を形容詞でまとめず、事前に決めていることとして伝える。
- 曲げ加工で、図面だけではわからないことは?(板金担当・青木さん)
- 現場の判断を、専門用語に頼らず具体的な場面で聞く。
実際の取材では「そのとき、誰と何を確認しましたか?」「そのあと、どうしましたか?」と掘り下げ、発言の背景と事実を確認します。
発言から見出しへ
「うちは断らない」から、「機械架台を、一台から。」へ。
架空の発言を使い、トップページの見出しへの編集例をつくりました。実際の録音や取材メモではありません。
デモ用の発言(架空)/代表
一台だけの架台でも、うちは断らないんだよね。同じ図面で、また頼んでもらえることもあるから。
このノートで作成した見出し・リードの例
機械架台を、一台から。
埼玉県川口市で、機械架台・板金カバー・ホッパーを製作しています。鋼材の切断から曲げ、溶接、組立まで社内で対応。一品ものも、同じ図面での追加製作もご相談ください。
「小ロット対応」「柔軟に対応」といった言葉に置き換えず、「一台から」という具体的な約束を見出しにしました。続くリードでは、一品ものと追加製作の両方に触れ、発言にあった「また頼んでもらえる」を、読み手から見た「追加製作もご相談ください」に直しています。
実案件では、編集した原稿を本人・企業に確認いただきます。発言にない実績や数字を足さず、意味が変わっていないかを確かめてから公開します。
サイトの構成・デザイン
工程の順に読むと、頼める範囲がわかる構成にしました。
トップは「機械架台を、一台から。」の一言から始め、切断・曲げ・溶接・組立の4工程を順に見せます。下層では、仕様や条件を表で整理しました。
| ページ | 見出し | 載せたこと |
|---|---|---|
| トップ | 機械架台を、一台から。 | 製作工程4つ/製作品/対応材質/設備/相談の流れ/会社/採用 |
| 加工・製作 | 架台・カバー・製缶品の切断から組立まで。 | 切断/曲げ/溶接/組立・出荷/加工条件の相談 |
| 製作例 | 機械架台・設備カバー・ホッパーの製作例 | 3例/材質・寸法・数量・担当工程/相談時の確認事項 |
| 設備・工場紹介 | 切断・板金の第2工場。溶接・組立の本社工場。 | 工場配置と部材の流れ/主な設備/検査条件 |
| 会社案内 | 川口・領家の槇瀬製作所。 | 会社概要/沿革/2つの工場 |
| 採用情報 | 製造スタッフ採用情報 | 仕事内容/入社後の教育/募集要項/選考の流れ |
| お問い合わせ | 製作のご相談・お見積もり | 材質・数量・納期の入力/図面の添付 |
図面を持つ人には、問い合わせの前に判断材料を。
対応材質と加工寸法、検査条件を「ご注文前に打ち合わせる」と明記しました。工場配置図と設備表は連動させ、どの工程をどちらの工場で行うかがわかるようにしています。問い合わせフォームでは、材質・数量・希望納期と図面(PDF・DXF・DWG)を送れるようにしました。設備・数値は架空の設定です。
製作例は、取引先の許諾が前提。
製作例は、取引先の製品や図面の掲載許諾が取れたものだけを載せる前提で設計しました。許諾が取れない場合は、業種・用途・材質に置き換えて一般化します。

制作・撮影の計画
稼働を止めずに、2つの工場を撮る。
2日間で2つの工場を撮影する計画です。サイト構成、制作工程表、撮影指示書、撮影香盤表、事前準備・出演者の計画をまとめています。実際に行った撮影の記録ではなく、自主制作デモのために設計した資料です。
- 撮影の前に、撮れないものを決める取引先の製品・図面の掲載可否と、撮影禁止の設備・エリアを、撮影の2週間前までに確認します。
- 工場の休憩時間に合わせて区切る撮影のために加工条件や安全手順は変えません。10:30・12:00・15:00の休憩に合わせ、稼働を止めずに撮れる順に組みました。
- 雨や設備停止に備える外観や撮りきれなかったカットは、予備撮影日で対応します。
撮影香盤表 1日目・抜粋
| 香盤ID | 時間 | 内容 | 場所 | 補足 |
|---|---|---|---|---|
| D1-00 | 08:00〜08:30 | 集合・安全説明・保護具の着用 | 第2工場/事務所 | 1 立入範囲・撮影禁止の設備と図面を確認 |
| D1-01 | 08:30〜09:00 | 朝礼・作業前点検 | 第2工場/朝礼場所 | 通常の朝礼をそのまま撮影 |
| D1-02 | 09:00〜10:00 | ファイバーレーザーでの切断 | 第2工場/レーザー加工機 | 2 安全柵の外から撮影。火花は通常加工のまま |
| D1-03 | 10:00〜10:30 | バンドソーでの形鋼切断・材料置場 | 第2工場/バンドソー・材料置場 | 3 材料の識別札に取引先名がないか確認 |
| D1-L1 | 10:30〜10:45 | 休憩(工場の休憩時間) | 第2工場/控室 | データを2系統に保存 |
- 1撮影禁止の設備や図面は、撮影の前に確認します。
- 2撮影のために、加工条件や安全手順は変えません。稼働を止めずに撮れる順に組みます。
- 3取引先名や製品が写るカットは、掲載の前に確認します。
制作スケジュールの例(約18週間・槇瀬製作所のデモ)
計画書の「スケジュール」を週ごとにまとめた例です。◆=企業側の確認期限。
| 工程 | 1週 | 2週 | 3週 | 4週 | 5週 | 6週 | 7週 | 8週 | 9週 | 10週 | 11週 | 12週 | 13週 | 14週 | 15週 | 16週 | 17週 | 18週 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 構成・ワイヤー | ◆構成案の確認期限 | ◆ワイヤーの確認期限 | ||||||||||||||||
| 撮影(2日) | ◆香盤・安全ルールの確認期限 | |||||||||||||||||
| 原稿・写真の確認 | ◆原稿・写真の確認期限 | |||||||||||||||||
| デザイン・実装 | ◆デザインの確認期限 | |||||||||||||||||
| 確認・公開 | ◆最終確認・公開承認の期限 |
撮影2日は8週目(第2工場・本社工場)。10週目に予備撮影日を設けています。
◆ 3週:構成案 / 6週:ワイヤー / 7週:香盤・安全ルール / 12週:原稿・写真 / 13週:デザイン / 18週:最終確認・公開承認
企業側の確認期間を含みます。ページ数・取材・撮影の内容で変わります。
槇瀬製作所の制作計画・撮影香盤表をダウンロードExcel・約0.6MB
計画書の会社・人物・設備・日付は、すべてデモ用の設定です。
言の葉+の製造業サイト制作
あなたの工場には、どんな「断らない」があるでしょう。
会社案内や設備の一覧があれば、それを見ながら話を聞きます。なくても始められます。製作事例の記事1本からも頼めます。
