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PEOPLE / 入社2年目 / 製造

元・飲食店員

工場って、もっと怖い場所だと思ってました。

飲食店で働いていたころ、機械は自分とは縁のないものだと思っていた。今は、図面と部品を見比べながら一日の作業を進めている。入社2年目の製造スタッフに、仕事を変えた理由と、まだ慣れない現場のことを聞いた。

入社2年目 / 製造元・飲食店員2025年 中途入社(前職:飲食店)
01

転職を考えたとき

接客は好きだった。それでも、別の仕事を見てみたかった。

飲食の仕事が嫌になった、というわけではありません。忙しい時間に、ホールと厨房がうまく連携できたときは気持ちよかったし、お客さんに顔を覚えてもらえるのも嬉しかった。ただ、これから何年か働いたとき、自分の中にどんな技術が残るんだろう、と考えるようになりました。ものをつくる仕事に興味を持ったのは、そのころです。

でも、工場の仕事を知っていたわけではないんです。求人の「機械加工」という言葉だけでは、毎日何をするのか想像できませんでした。見学に行って、機械の前でただ手を動かすだけではなく、図面を見たり、測ったり、相談したりしていると知った。自分が思っていた仕事より、考える時間があるんだな、と感じました。

02

入社して最初に困ったこと

「わかりません」の、その先を言葉にする。

いちばん困ったのは、何がわからないのか、説明できなかったことです。道具の名前も図面の読み方も知らない。先輩の説明を聞いて、その場ではわかったつもりになるんですけど、いざ一人で準備しようとすると手が止まる。「さっき聞いたばかりなのに」と思うと、もう一度聞くのにも勇気がいりました。

ある日、必要な道具を揃えたつもりで、ひとつ足りないままになっていたことがありました。作業前の確認で気づいて、先輩と準備をやり直した。それからは、メモに名前だけを書くのをやめて、何に使う道具なのかも書くようにしています。まだ聞くことは多いですけど、「ここまでは確認しました」と伝えられるだけでも、相談はしやすくなりました。

03

前の仕事との意外な共通点

自分の作業が終わっても、仕事は次へ続いている。

接客の経験がそのまま加工に使えるわけではありません。でも、次に動く人のことを考える感覚は、少し似ていると思います。飲食店では、自分の持ち場だけ片づいても、厨房が困っていたらお店全体はうまく回らない。今も、自分の作業が終わればそれでいい、とはならないんですよね。

部品と記録を次の担当に渡すとき、「どこまで確認したか」が伝わらないと、相手がもう一度調べることになる。急いでいるときほど、そこを省きたくなるんですけど。自分が受け取る側になって、情報が揃っていると助かるな、と感じてから、引き継ぎまでが仕事だと思うようになりました。

04

おもしろくなってきた瞬間

図面が、ただの線と数字ではなくなった。

図面を見て、実物の形が少し想像できるようになったときです。最初は線と数字にしか見えなかったものが、「この穴はここに開くんだ」とわかるようになる。全部わかるわけではないですけど、見るところが増えてきました。前にやった作業と似ていても、違う部分があると気になるようになりました。

今でも、予定どおりに進まない日はあります。準備に時間がかかったり、確認で迷ったり。だからこそ、その日の終わりに「今日はここで止まった」とメモしておく。次に同じような作業をしたとき、少し早く気づけると嬉しいです。大きな達成感というより、昨日よりわかることが一つ増えた。そのくらいの楽しさが、今はちょうどいいです。

05

仕事を選ぶ人に伝えたいこと

見学では、機械だけでなく、働く人の動きも見てほしい。

「未経験でも大丈夫」という言葉だけで、自分に合うとは決められないと思います。覚えることはありますし、同じ確認を丁寧に続ける時間もあります。自分は手を動かすのが好きでも、細かい記録は最初ちょっと苦手でした。楽しいところだけではなく、毎日どんな確認をするのかも聞いてみてほしいです。

見学に行くなら、詳しい質問を用意しなくてもいいと思います。「新人は最初に何をするんですか」「わからないときは誰に聞くんですか」。自分は、そういう話がいちばん参考になりました。働いている人の動きや会話を見て、ここで一日を過ごす自分が想像できるか。仕事を変えるときに、自分が知りたかったのはそこでした。

話の続きは、工場で。

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