品質管理を選んだ理由
「つくる人」の隣に、「確かめる人」がいた。
就職活動をしていたとき、品質管理という職種は知りませんでした。製造業と聞くと、機械を使って何かをつくる仕事を想像していたので。見学で、つくられた部品を測っている人を見て、ここには別の役割もあるんだ、と知りました。部品をつくる人と、確かめる人。その間にある仕事が気になったんです。
文系だったので、数字を扱う仕事は自分から遠いと思っていました。でも、説明を聞くと、求められるのは計算が速いことだけではない。「同じ方法で確認する」「結果を残す」「気になることを伝える」。それなら、自分がやってみたい仕事かもしれないと思いました。得意だから選んだというより、何をしているのかを知って、興味が湧いた感じです。
測定を覚えるまで
測定器を使えば、誰でも同じ数字になると思っていた。
最初は、道具を持つだけでも緊張しました。同じ部品を測っているのに、自分と先輩で結果が違うことがある。数字の見方を間違えたのかな、と考えていたら、確認する位置や道具の当て方が揃っていなかったんです。測定器が答えを出してくれる、という単純な話ではないと知りました。
まずは手順を一緒に確認して、同じ場所を、同じ方法で測る。それを繰り返しました。早く終わらせようとすると、確認が雑になる。丁寧にやろうとすると、今度は時間がかかる。そのバランスは、今も意識しています。慣れてきた作業ほど、最初に教わった基本に戻るようにしています。
違いを見つけたあと
数字を渡すだけでは、伝わらないことがある。
気になる結果が出たとき、最初のころは「違います」と伝えるだけでした。でも、それだけでは加工の担当者も状況がわからない。「どの場所を」「どう測って」「何と違ったのか」。説明する情報を揃えることも、品質管理の仕事だと気づきました。
確認をお願いするときは、自分の測り方が合っているかも一緒に見てもらいます。加工の事情を聞くと、なぜそこが大事なのか、図面だけではわからなかったことが見える場合もある。間違いを見つける人、というより、同じ部品を別の角度から見る人でありたいです。数字を扱う仕事なのに、意外と会話が多いんですよ。
4年目の今、変わったこと
何も起きない日も、ちゃんと確かめている。
以前は、結果が基準に入っているかどうかを見るので精いっぱいでした。最近は、前の記録と少し違うと、理由を確認したくなります。問題だと決めつけるのではなく、気になったこととして相談する。自分で判断するところと、誰かに確認するところを分けるのも、少しずつ覚えてきました。
とはいえ、毎日新しい発見ばかりではありません。地道に同じ確認を続ける時間もあります。そういう日に、手順を省かず結果を残せることも、力なんだと思います。目立つ仕事ではないかもしれないけれど、次の工程で安心して使ってもらえる。その役割は、自分にとって大事です。
これからの仕事選び
自分に合うかは、毎日の確認を想像してみてから。
文系か理系か、という分け方だけでは、自分に合う仕事はわからないと思います。細かい確認を続けられるか、違いを気にして考えられるか、わからないことを相談できるか。品質管理では、そういう日々の動きのほうが、自分を想像しやすいんじゃないでしょうか。
もちろん、興味があれば何でも楽しくできる、というわけではないです。慣れるまでは難しいし、記録の責任もあります。だからこそ、見学で実際の道具や作業を見てみてほしい。「この仕事の人は、一日でどんな確認をしますか」と聞いてみると、職種名だけでは見えない部分がわかると思います。